1. 古民家再生と並行して、独自OS開発に挑戦するワケ
いつもの記事では、古民家リノベーションやドローン、農的暮らしについての話題が中心でしたが、今回は少し毛色が変わり、「Exokernelを採用した独自OSづくり」のお話をしたいと思います。
「えっ、古民家再生や農業の話とOS開発がどう関係するの?」と思われるかもしれません。でも、スマートホームやドローンの活用、IoT機器の統合管理などを突き詰めると、より柔軟で軽量、安全性の高いOS基盤が必要になる場面が出てくるんです。
古民家再生の現場で見えてきた“機器をどう連携させるか”という悩みや、さまざまな環境で動作するアプリケーションの利便性を考えると、「いっそOSから設計したほうが面白いかも」と思ったのがきっかけ。せっかくなら新しい技術の“ど真ん中”に飛び込んでみることにしました。
ただし、この開発は超長期的な取り組みになるので、しばらくは既存のWindowsやLinux、macOSなどを使いつつ、あくまで将来に向けた研究・実験として進めていきます。
2. Exokernelってなに?――極小カーネルの魅力
まずは、Exokernelというアーキテクチャについて簡単にご紹介します。
従来のOSとExokernelの違い
- 従来のOS(LinuxやWindows)
カーネル(OSの核)がファイルシステムやネットワークなど、高レベルの機能をまとめて面倒を見る仕組み。非常に汎用的ではありますが、カーネルとユーザ空間の間に大きな抽象レイヤーがあり、場合によってはオーバーヘッドが大きくなることも。
- Exokernel
カーネルはCPUやメモリ、割り込みなどの“保護”に特化し、ファイルシステムやネットワーク機能はユーザ空間に委譲(ライブラリOSとして)する構造です。つまり、“めちゃくちゃ軽くて必要最低限”の機能だけをカーネルが担うという考え方。
このおかげでアプリケーションやライブラリOSの自由度が上がり、同じハードウェア上で複数のOSライクな環境を同居させやすくなるのが大きな特徴です。
3. AIと合わせた「未知バイナリ解析」の世界
さらに今回目指しているのは、Exokernelの上にAIエージェントを統合し、未知のバイナリ(プログラム)を自動で解析・サンドボックス実行しながら、安全に動かしていく仕組みです。
- ライブラリOSを複数用意
Windows風・Linux風・独自フォーマットなど、それぞれのバイナリに応じて適切なライブラリOS上で動かす。 - AIエージェントが自動解析
逆アセンブルやファジングと呼ばれるテクニックをAIが活用し、「危険そうなバイナリなら停止」「安全判定なら実行」など振り分ける。
このように“多様なアプリを柔軟に使いたい”という要望は、古民家といえどもIoT化やスマートホーム化を進める私たちの環境にも重なるところがあり、また暮らしの仲間としても魅力的に写ります。複数ベンダーのセンサーやドローン制御ソフトをひとつのプラットフォームで安心して動かしたい、という願いに対して、一石を投じるのがExokernelアプローチかもしれません。
4. なぜOS開発が必要?――“ドラえもん”と“コナン”への憧れ
小さいころから、ドラえもんのようなロボットと一緒に暮らせたらどんなに楽しいだろう、あるいは名探偵コナンのような他分野横断的な豊富な知識を自分も使いこなせたら最高だな、と思い続けてきました。
最近のAI技術の目覚ましい発展を見ると、そんな夢の実現に個人開発でも手が届きそうな気がしてきたのです。
特にChatGPTをはじめとするLLM(大規模言語モデル)の進化速度には驚かされるばかり。
AIが自律的に行動し、未知の課題を解析・解決してくれるような未来像を思い描くと、そのための“器”となるOSを自分の手で作り上げてみたいという思いがむくむくと湧いてきました。
ただし、従来のOSを拡張していくのではなく、Exokernelのように軽量かつ柔軟で、AIとの連携を前提に組み込める仕組みこそが、ドラえもん的な人間味のある自己改善可能な知性を支える土台になるのでは、という考えに至ったのです。
もちろん、いきなりこのExokernelベースのOSを日常生活へ全面的に導入できるわけではありません。
現実的にはしばらく既存のWindowsやLinux、macOSなどを使いながら、バックグラウンドでR&D(研究開発)を少しずつ進める予定です。
どこまで理想に近づけるのかは未知数ですが、子どものころから描いてきた夢を試すというだけでも、何ものにも代えがたいワクワク感を味わっています。
5. 要件定義のポイント――小さく、でもAIとがっつり連携
今回まとめたOSの要件定義では、主に以下のポイントが重要になっています。
- Exokernelの極小カーネル
- CPU、メモリ、割り込みなどの管理だけをカーネルに集約。
- ファイルシステムやネットワークなどはユーザ空間のライブラリOSに“丸投げ”。
- 複数のライブラリOSが並行して動く
- Windows互換やLinux互換、あるいは独自仕様など、必要に応じて自由に切り替え可能。
- それぞれがほかのライブラリOSを邪魔しないよう、Exokernelが保護する。
- AIエージェントによるバイナリ解析とサンドボックス振り分け
- 逆アセンブルツールやファジングツールをAIが使いこなし、バイナリの安全性をチェック。
- 怪しい挙動があったら止める、問題なさそうならそのバイナリに合ったライブラリOSで実行。
- 自己改善(セルフホスティング)機能
- AI自身が自分のコードをアップデートし、ビルドしてテストする。
- 大きな変更(カーネルやOS全体の改修)は人間の承認を挟む、など安全装置を用意。
こうした仕組みによって、未知のプログラムやマルチプラットフォーム対応が求められる機器を安全に動かしたいといったニーズに応えられるかもしれません。
6. 住まいと技術を結びつける“実験の場”
古民家の耐震・断熱・設備改修といった“物理空間”での挑戦は、私たちにとって大きなやりがいです。
でもそれだけでなく、ExokernelベースのOS開発をはじめとする“情報空間”での挑戦も同時に進めようとしているのは、やはり“ドラえもん”のような存在と一緒に暮らすことを夢見ているから。
たとえば、こんな未来を思い描いています。
- ドローンの撮影データや農業データをスムーズに解析して、自動で畑の様子や収穫時期を予測
- スマートホーム内のセンサー情報をAIエージェントが学習・最適化して、快適な温度や照明を常に保ち、防犯や省エネもバッチリ
- 管理栄養士の視点と組み合わせ、家族の健康データから食事やサプリメントの提案を行う
- さらに、子どものころ憧れた“ドラえもん”“名探偵コナン”に負けないような、気の利いたパートナーAIが日々の暮らしをサポート
こんな風に、アナログな住まいの風情と最先端のハイテクが自然に融合するイメージが見えてくると、ワクワクせずにはいられません。
ただし、将来的に一通りの機能が安定してきたら、OSレベルで“何でもできるAIエージェント”を走らせる基盤へ移行していくかもしれませんが、それまではあくまで日常生活は一般的なOSで運用していく予定。
それでも、こうして“実験の場”を少しずつ拡張していけば、いつかはドラえもんのように頼りになるAIシステムが生まれるかもしれない——そんな夢を抱きながら、日々試行錯誤しているところです。今後も、古民家再生×最新テクノロジーのシナジーを追求しながら、面白い報告ができればと思っています。
7. 今後のロードマップ――少しずつ進めます
- まずは既存OS上でAI解析PoC
既存のLinuxやWindowsで動く形で、AIエージェントによるバイナリ解析を実験。
逆アセンブラやファジングツールとの連携、自己改善(コード修正~再ビルド)パイプラインを試していきます。 - 最低限のExokernel + 1種類のライブラリOS
同時並行で、まずはLinux風のライブラリOSをユーザ空間で動かすところから。実際にELFバイナリを実行できるか検証。 - Windows互換OSを追加して、振り分け実験
Windows向けバイナリをサンドボックスで安全に実行する流れを整備。AIが自動解析して“どちらのOSで走らせるか”を決める仕組みもここで試します。 - 複数OS同時稼働&自己最適化強化
もっと多様なライブラリOSやドライバを、AIが動的に生成・差し替えできるように研究。
大掛かりな修正時には人間が承認するワークフローを作り、運用面の安全も確保。
8. まとめ――“近未来”へ向けた地盤づくり
古民家の改修が進んで暮らしの基盤が整う一方で、私たちは並行してOSレベルからのIT基盤強化にチャレンジしています。
かなりスケールの大きな話ですが、単なるソフトウェア開発とは違うユニークな価値が生まれるのではないかと感じています。
いずれ、このOS開発の過程も「やってみたらこうなった」という形で記事やコンテンツ化していく予定です。
エラーで止まったり、AIエージェントが妙なコードを生成したり、ハプニングも絶対あるでしょう。
でもそのトライ&エラーこそ、実践的な学びになるはず。
とはいえ当面は、普段の生活やリノベ後の生活を円滑に進めるため、既存のWindowsやLinux、macOSといった一般的なOSを問題なく利用していきます。
長い目で見て、一歩ずつ土台を固めていこうと思います。
もし「エンジニアリング視点で見てみたい!」という方がいらっしゃいましたら、ぜひ今後のアップデートも楽しみにしていただけるとうれしいです。
引き続き、古民家での日常とハイテクを組み合わせた実験を、どんどん形にしていきたいと思います。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう。今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。